夏なので「本当にあった不思議な話」その三
夏なので「本当にあった不思議な話」その二はこちら
私がまだ22歳の頃旭川に住んでいました。
当時私は知り合いの友人と二人でアパートを借りて住んでしました。
私には彼女がいて、友人には彼女がいなく私の彼女が友人に女性を紹介する事になり遊びに出かける事にしました。
そこで何処に行くか決めましたが、当時から幽霊が出ると噂の多い神居古潭のつり橋に行くことにしました。
ここは昔から幽霊が出る事で有名で旭川住人なら知らない人は居ないほどです。
車で出かけて午後8時頃神居古潭の橋に付きました。
当時はまだ国道沿いの場所で昔ながらの自販機が置いてありました。
橋を渡り向こう岸に行くと蒸気機関車が展示してあり、街灯で照らされています。
そこから反対側に行くと短いトンネルが有ります。
そこを四人でウロウロしながら遊びました。
午後9時ごろそろそろ帰る事にして、橋の真ん中あたりに来た時です。
当時私が付き合っていた彼女が「あれ後ろ見てごらん人が居るよ。」と後ろを見ないで私に話かけたのです。
神居古潭は幽霊が出るのは四人とも知っていたので、彼女が俺を脅かすために嘘を言っているのだと思いましたが、歩きながら一応後ろを見て確認して「誰も居ないよ。」と返事を返しました。
ところが彼女はまた後ろを見ないで「居るから見てごらん。」と言うのです。
その時不思議に思えたのが、前を歩く二人には私たち二人の会話は聞こえている筈なのに二人とも此方を振り向かないのです。
そこでもう一度後ろを振り向いて確認して「やっぱり誰も居ないよ」と返しました。
すると、彼女はやっぱり後ろを見ないで「よーく見てごらん居るから」と言うのです。
だいたい彼女は幽霊も出ていないのにビビッて私の左腕に強くしがみついているのになにアホな事言っているのだと思いましたが、一応また後ろを確認しましたがやっぱり誰も居ません。
そこで私はもう一度目を凝らしてよーく確認してから「やっぱり誰も居ないよ」と言いました。
すると彼女は「私の事信じていない!!」と半分切れたように言ってきたのです。
私も売り言葉に買い言葉で「お前には見えるかもしれないが俺には見えない!!」と返事をしたら、車の近かったので腕を放してそそくさと車の方に早足で歩いて行きました。
半分怒ったかなと思いつつこれ以上言い合えば喧嘩になると思いそれ以上は言いませんでしたが、車に乗った時に彼女の顔は半分笑顔で私の心の中では「なんだこいつ」と思いました。
それから1週間後に彼女と居酒屋で飲む事になり、神居古潭の橋の件が気になり彼女に聞いて見たのです。
「神居古潭の橋の上であの時本当にお前には見えたの?」と尋ねると、
彼女は「なんの事?」
俺「??????」
俺「いやいや神居古潭の帰りの橋の真ん中あたりから後ろを見ないで人が居ると言ったでしょう!」
彼女「橋の真ん中あたりからは誰も話していないよ。」
俺はその時の体験を事細かく話したけど彼女は「橋の真ん中あたりからは誰も話していない」と言いだす。
そこで直ぐに思い浮かべたのが一緒に行っていた男友達に電話をしたが、友達も「橋の真ん中あたりからは誰も話していない」
私は半分パニック状態彼女が話していないとして聞こえた声が俺の空耳としても、俺が話した声は何処に消えたのか??
腕にしがみついていたので、隣の俺の声が彼女に聞こえないはずはないのです。
この体験をしてからは絶対に肝試しや嫌な感じのする所は極力避けるようになりました。
これが私の体験した「本当にあった不思議な話」の三話目です。
神居古潭はYouTube でも「神居古潭心霊スポット」で検索すれば出てきます。
最後に妹にこの話をしたら、「あそこは男女ペアで行くと男の人だけ不思議な体験をする」と噂に聞いたそうです。